WORLD END ECONOMiCA
Episode.1
メーカー 原画 シナリオ
Spicy Tails 上月一式 支倉凍砂




総合点数 オススメ シナリオ CG BGM システム
160 90 25 15 20 10






善意は地獄への近道

 青葉と〜
青葉

茉理
 末莉の〜

茉理
  イケてない
 エロゲーレビュー〜♪

青葉
さて今回取り上げたのは今年初めての同人作品になるSpicy Tails「WORLD END ECONOMiCA Episode.1(以下、WEE1と略)」よ。タイトルにあるように3部作の1作品目という形になるわね。
青葉

茉理
何と言っても注目はアニメやコミック化もした大人気ライトノベル「狼と香辛料」の作者でもある支倉凍砂さんがシナリオライターとして参加していることですね! 「狼と香辛料」はコンシューマー作品でゲーム化されていますが完全オリジナル作品としてのデビューとなりますから注目していましたよ!\(>ヮ<)/
・・・・・・随分とテンションが高いわね(−− 期待しているのはウンザリするぐらい判ったから作品の紹介をしちゃいなさい。
青葉

茉理
では簡単にあらすじを…人類が月に移住するようになって約16年が経ち、経済の中心が月に移行しつつある時代。月生れ月育ちの主人公ヨシハル(通称・ハル)さんは前人未踏の夢を目指す為に多額の資金を得るため白熱する株式市場で株の取引を行うのだった…
要約すると小僧が成り上がるために株式に金を突っ込むという話よね(−−
青葉

茉理
いやまあ、ぶっちゃけるとそういう話なんですけどね(;´Д`)  
でも私はこういう話は好きなのよ? 多分どんな未来になっても人の営みには変化がないというのがこのWEE1をプレイして判った気がしたし。
青葉

茉理
それでは作品についてレビューしていきますが…やっぱりウリはシナリオだと思うのですがどうでしたか?
シナリオは選択肢もないから事実上デジタルノベルになっているからどれだけユーザーに読ませるテキストとシナリオになっているかどうかという意味なら文句なく面白かったわね。

「狼と香辛料」を読んでいると支倉凍砂テイストがしっかりと味わえた点は満足したわ。特に文節での台詞とかがしっかりとスパイスが効いていてプレイしていて楽しかったわよ。

青葉

茉理
元々ご自分でも株とかやっていらっしゃいますからその辺りの描写もリアリティがありましたね。
それでいて里沙のように古い考え方もするキャラもいてその渾然一体感が味わえたのも面白かったわ。
青葉

茉理
青葉おねーさんが言ったように最先端の場所が設定されているのに根っこに流れているのはどんな時代にも変わらないものだったというのはプレイしても判りますね。
このWEE1について詳しく語るとネタバレになってしまうからぼかして喋るけど、中盤以降の流れについて小娘はどう感じた?
青葉

茉理
里沙さんに助けて貰った恩からコンテストと他人の資産を運営するのは支倉さんらしい展開でしたね…当然その後のラストもですが…。
まあ予想できていたことではあるけどね…このまま上手くいっていたらそりゃハッピーエンドだけどそんなの80年代のアメリカ映画だけよ(−−
青葉

茉理
でも私は意外でしたね。「狼と香辛料」だとハッピーエンドというかラストは成功ばかりでしたからこういうラストも書ける人なんだと感心しました(^^;;
流石に株に詳しいだけあってコンテストにしろ資産の運営にしてもリアリティがあるというのはすごい反面、ちょっと嫌な気分にもなった部分もあってその辺も手法としてプロらしい部分ではあったわね。
青葉

茉理
コンテストの最後の1時間でのやり取りも凄かったですけど資産運営のリミット最後の部分も凄かったですよね…あのメールの破壊力といったら…('A`)
むしろそこに至るまでの過程が秀逸だったと思うわ。そりゃ成り上がろうと思っていてああいう風にいわれたら鵜呑みにしてしまうわよ(−− 後から客観的に見たら詐欺師の典型的なやり口だし。
青葉

茉理
それとパートナーだったハガナさんを拒絶してしまった場面が私には辛かったですね。解析プログラムの進歩と共に用無しになってしまうハルさんの複雑な心境を経て気持ちが通じ合っただけにラストがこんな結末になってしまうとは予想していませんでした(´д⊂
そういう意味でWEE1狼と香辛料は比較すると面白かったわ。狼と香辛料は主人公もヒロインも辛酸を経験しているから表面上は対立しても根っこでは通じ合っているけど、WEE1は若さ故に表面でしか通じ合っていなくて土壇場で信じることが出来なかったんじゃない? 

とはいえ全てを失いハガナもいなくなってマイナスの負債しか残らなかったハルがここからどう盛り返すのか楽しみではあるわね。

青葉

茉理
続きは来年の夏コミという事で少し間が空いてしまうのが残念ですが…。
久しぶりに続きが気になる作品だけに早くプレイしたいわね。
青葉






シナリオ

 至る所に支倉凍砂さんのテイストがあったのはファンとしては嬉しい限り。多分にファン補正が入っていますが面白かったのは事実。最先端の年である月を舞台に何百年経とうと変わらない人との繋がりを描いたシナリオは楽しめました。コンテストにしろ資産運営にしても終了直前までの天国と地獄のリアリティは半端なかった…個人的にも少し流行っているから判りますけど全財産を賭けたギャンブルに近い株の売買をこういう形で描いている点は非常に興味深く面白かったですね。

 選択肢もないのでラノベ感覚で気軽に楽しめるのは良いのですが個人的には選択肢を付けて株式を知らない人にも楽しめるようにしたら良かったと思うこともありますね。選択肢によって色んな結末を迎えるようにしても面白かったように思えます。まあ支倉さんのテイストを生かすのならやはり読ませるように特化した方が良いでしょうが。


原画・CG

 原画は上月一式さんという方ですが今回でおそらくデビューした方だと思いますが、絵的には作品とマッチしていましたね。ラノベっぽい雰囲気でしたが十分に世界観と合っていたので文句はなかったです。欲を言えばもっとイベントCGは欲しかったですね。


音楽・BGM

 実は主題歌の「ワールド・エンド・エコノミカ」を担当した岸田教団の楽曲は今回が初体験(何処かで聴いているかもしれませんが)でしたが私好みの曲で良かったなぁ。作中のBGMにしても8bitっぽい曲もあればラストに流れるエリック・サティ「お前が欲しい」が流れたりと好みの曲ばかりでした。


オススメ度

 まだ3部作の1部目という事で内容的にもプロローグの意味合いが強かったものの、そこに描かれている天国と地獄の様相には刮目するものがあります。実質ライトノベルをゲーム化しただけなので割高感はありますが質量共に満足度は高め。実力派のライトノベル作家のシナリオとしては文句なくトップレベルと言えるでしょう。

 欠点は完結していませんから続きまで焦らされる点ですね(笑) そうして待っているのも楽しみの内なので気長に来年まで待ちましょう。


My Favorite's

 すっごい意外そうですがバートンが個人的にはお気に入り。

 まさに「兎を狩るのに獅子は全力であたる」というのを体現した行動には感服。良くも悪くもハルとは大人と子供という感じでしたね。小物ならハルが子供というだけで舐めてかかるところをバートンはしっかりと自分に有利になるようコントロールしているところは唸ってしまった。作中ではボス的な意味合いで描かれていたバートンですがこの説得力は支倉さんらしさを感じさせたキャラと言えるでしょう。





2011年09月01日 草薙静流







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